今度こそ、禁煙したいのですが…。
5月31日はWHO(世界保健機関)が定めた「世界禁煙デー」。
5月31日はWHO(世界保健機関)が定めた「世界禁煙デー」。
毎回スローガンが掲げられ、第21回を迎えた今年のテーマは「TOBACCO-FREE YOUTH」(若者へのタバコの売り込みをやめさせよう)でした。
わが国でも、20代、30代の喫煙率の高さが目を引き、特に若い女性の喫煙者は増加傾向にあります。
世界禁煙デーを契機に、タバコを吸っている人はぜひ禁煙に挑戦しましょう。
全身に悪影響を及ぼす喫煙
喫煙が健康に害を及ぼすことはあまりにもよく知られています。その代表が肺がんですが、それ以外にも、喉頭がん、食道がん、胃がん、膀胱がんなど、ほとんどのがんのリスクを高めます。さらに、動脈硬化や高血圧、心臓病、胃・十二指腸潰瘍、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、歯周病などとも関係が深く、女性の場合には早産、自然流産の危険も高まります。
しかも、タバコの影響は喫煙者だけにとどまりません。周りの人が吸うタバコの煙によっても、がんや高血圧などのリスクが高まることがわかっています。また先ごろ、受動喫煙で糖尿病になるリスクが8割ほど高くなるとの調査結果も発表されました。
喫煙はまさに百害あって一利なし。50代での禁煙でも、肺がん死亡率は吸い続けるより43~64%減少するとの報告があります。禁煙に遅すぎるということは決してありません!
医療機関で禁煙治療を受けてみては
禁煙はなかなか成功しないのも事実です。これはタバコに含まれるニコチンに強い依存性があるためです。タバコをやめたい人には、市販薬のニコチンガムもありますが、2006年4月から以下の条件を満たす人は、ニコチン依存症として、受診に健康保険が適用されるようになりました。
(1)ニコチン依存症スクリーニングテスト(TDS)※で、ニコチン依存症と診断された
(2)1日の喫煙本数×喫煙年数が200以上
(3)直ちに禁煙することを希望している
(4)「禁煙治療のための標準手順書」に則った禁煙治療について説明を受け、治療を受けることを文書により同意している
禁煙治療は、通常、12週で計5回行われます。治療では必要に応じてニコチンパッチという貼り薬などが使われます。また今年1月には、飲み薬も医薬品として承認されました。
自分だけで禁煙する自信のない人、あるいは以前自分だけで禁煙に挑戦して失敗したという人、禁煙すると強い禁断症状がある人などは禁煙外来などを訪ね、医師の指導を受けるのもよいでしょう。
※ニコチン依存症スクリーニングテスト(TDS)は、「禁煙治療のための標準手順書」のページでご覧いただけます。