2016/12/20
薬剤師からの健康アドバイス
はしか・百日咳
はしか・百日咳の流行に注意しましょう
昨年のちょうどこの時期、「はしか(麻しん)が大流行し、休講・休校する学校が続出」というニュースが大きく報じられました。今年も、すでに南関東や福岡などではしかの患者発生の報告があり、流行しそうな気配です。はしかの流行の陰に隠れてあまり話題になりませんでしたが、実は百日咳も昨年流行し、はしか同様に今年の流行が危惧されています。
はしかも百日咳も予防接種法で子どもへのワクチン接種が定められています。昨年のはしかの流行は10代以上の若者たちで起こり、しかもその大半の人が予防接種を受けていました。それにもかかわらず、はしかが流行した理由として、1回接種したけれど十分な免疫が獲得されなかった、あるいは一度は免疫が獲得されたけれどウイルスに接する機会が減って強い免疫にならなかったことなどが挙げられています。一方、百日咳については、ワクチンの効果が減弱したことが指摘されています。
ワクチンを接種しているからと安心せずに、下記にあげたような症状が出た場合には受診しましょう。そのままにしていると、時には重症化することがあるので注意が必要です。なお、はしかに関して07年12月厚生労働省において「麻しんに関する特定感染症予防指針」が策定されました。これに基づき今年4月から5年間の期限付きで、麻しん・風しん混合(MR)ワクチンが、現在の1期(1歳児)・2期(小学校入学前年度の1年間にあたる児童)に加え、中学1年時と高校3年時も予防接種対象になりました。これに相当する人は忘れずに接種を受けましょう。
はしか・百日咳の症状
■はしか:発熱、全身性発疹、咳、鼻水、目の充血など
■百日咳:激しい咳、鼻水、痰など