2016/12/20
薬剤師からの健康アドバイス
低温やけど
暖房器具による「低温やけど」に注意
暖房器具による「低温やけど」に注意
寒いこの時期、電気ごたつや電気毛布、あんかなどの暖房器具を使用している方も多いのでは。これらは確かに気持ちのよい温かさを私たちに提供してくれますが、使用するのは短時間にとどめておきましょう。長時間の使用は「低温やけど」を起こす危険を高めます。
低温やけどは、通常のやけどに比べて痛みがそれほど強くなく、水泡もできにくいため、軽く考えがちです。ところが実際には皮膚の深部にまで熱が伝わり、皮下組織が損傷され、その範囲も広くなりがちで、重症化しやすいという特徴があります。特に、すねやくるぶし、かかとなど皮膚のすぐ下に骨があるところは低温やけどになりやすいので注意しましょう。
お年寄りは加齢の影響で知覚が鈍くなり、熱さを感じにくくなるため、かなりひどくなってようやく周囲の人が気づくというケースが少なくありません。また、酔ったまま電気カーペットの上で寝てしまい、低温やけどを負ってしまう人も多く見受けられます。
暖房器具をつけたまま眠らない、あんかや湯たんぽは厚手の布袋に入れ直接肌に触れないようにする、使い捨てカイロは衣類の上から使用するといったことを心がけましょう。
万一、低温やけどが起きたときは皮膚科などを受診してください。治療は、比較的軽ければ軟膏などの薬で治りますが、やけどの範囲が広い場合などは手術が必要となることもあります。